お尻の上部・腰との境目あたりの痛みの治療
お尻と腰の境目あたりに痛みを訴えて治療に来られる方が時折見受けられます。
たいていの場合、激痛というほどではないのですが長期にわたり治るようで治らずダラダラ続く痛み・不快感に悩まされている方が多いです。
解剖学的には腸骨稜という部分を境に、それより上を腰、下を臀部と呼びます。
この痛みの特徴は、痛い場所が腰のようなお尻のような「ご自身で痛みの場所が分かるようで分からない」、あるいは、「ある時は間違いなくここだと思っても別の時にはやや違う場所を間違いなくここだと示す」という感じでややnotalgia paresthetica 的な感じがあります。
人間の脳は皮膚の痛みや以上に対してはかなり正確に場所の特定ができますが、筋肉を含む皮膚より深い部分の情報に関して場所の特定はかなりいい加減です。人体の仕組みとしてそうなっているので仕方ありません。
盲腸の時に最初胃のあたりが痛く感じたり、
心筋梗塞の時に左肩や腕に痛みを感じたり、
お尻の筋肉に異常があるのに足に痛みを感じたりなどはよくある例です。
今回の症状もそういった類の痛みです。
厄介なのは、たいていの場合、お尻の筋肉にも実際にコリがあることが多いことです。どれが痛みの震源地なのか探りながら治療を進めていきます。痛みの原因がお尻自体の筋肉のコリによるものでない場合、他からの投射で痛みが出ていることになります(実際にそのケースが多い)が、今までの経験からおよその震源地の目星はつくのでそちらを治療していきます。
震源地、つまり普段感じている痛みが再現される場所を施術により不活性化できれば問題なく痛みは解消されていきます。
この症状の治療に関しては鍼の方が確実です。