ポリモーダル受容器に着目した鍼灸マッサージ治療
肩こり、首こりや腰痛(=筋・筋膜性疼痛:MPS)の痛みの正体、コリの形成から解消に至るまで、そして実際に痛みがなくなるまで、これらのいずれの場面においても重要な役割を果たしているのがポリモーダル受容器(polymodal receptors, polymodal nociceptors)というセンサー、効果器です。
鍼灸やマッサージという技術を用いて上手にポリモーダル受容器を刺激することで、コリによる痛みだけでなく、自律神経系の機能低下(不眠、食欲不振、冷え性など自律神経失調症など)への治療効果を引き出していきます。
もちろん、ポリモーダル受容器は全身にくまなく存在するので、「浅い鍼」あるいは「刺さない鍼」で皮膚組織のポリモーダル受容器を刺激して効果を出そうとする治療法もありますが、深部にある筋膜・筋肉のポリモーダル受容器を上手に刺激した時の効果はそれとはまるで比較にならないほど強力で確実です。特に、皮膚のポリモーダル受容器への刺激では一時的な鎮痛効果は得られたとしてもコリの解消に対してはほとんど効果はありません。
下のイメージの通り、血行不良で凝ってポリモーダル受容器が敏感になっている箇所を正確に刺激できるなら、太い鍼を何十本も使ったり、やたら滅多に強くマッサージする必要はないのです。
しかし、それ以外の下の部分で無理やり効かそうとすると太い鍼や強い力の施術が必要になります。太い鍼の使用は、無用の痛みだけでなく、内出血・神経損傷などのリスクを高めることになります。

(詳しくはポリモーダル受容器とはどのようなものか? をご参照ください。)

