喉や首の側面・前面から胸にかけての不快感の治療
肩こりや首のコリは一般的に体の後ろ側での痛みや不快感がほとんどですが、首の側面や前側~胸にかけての不快感を訴える患者様もいらっしゃいます。(図1~図6)
中には、もともとの肩こりや首コリが楽になってきてだんだん側面や前面の不快感が出てくる場合もあります。一番悪かった肩や首の痛みがなくなり、相対的に次に悪かった側面や前面の筋肉(軟部組織)が出す異常信号が意識に上るようになってきたのではないかと推察されます。
同時に、顔のコリ、特に目の周囲や顎・側頭部の筋肉にも高い筋緊張、筋硬結が見られることが多く関連のありそうなところをなるべく広くとって緩めていく必要があります。
胸鎖乳突筋などいくつかの筋肉のコリを施術していると頭痛の時の痛みが再現されたりすることがあり、緊張型頭痛(や場合によってはおそらく片頭痛も)との関連も疑われます。(図2)
それぞれの筋肉はとても薄かったり、小さかったりで非常に細かい作業となりますが一つ一つ丁寧に取っていくと回を追うごとに着実に柔らかい部位が増えていきます。
たいていの部位は浅いのでほとんど鍼を使わないで治療をしていくことが可能です。
図1
: 頚部の前面の筋群
図2
: 胸鎖乳突筋のコリが頭痛の原因の一つとなっている可能性があります。たいてい左右のどちらか一方が明らかに硬いことが多く(割合としては左側が多い印象です)、また、胸骨枝と鎖骨枝のうち鎖骨枝の方に悪いコリがあることが多いです。
図3
: こういった舌骨周りの細かい筋肉も凝ることがあり施術の対象となります。
図4
: 斜角筋の間を腕に行く神経・血管などが通ります。斜角筋の過緊張・筋硬結により神経・血管が圧迫されたりすると上肢の血行不良やしびれなどが生じることがあるのでるので過緊張や筋硬結を解消することはとても重要です。
図5
: 大胸筋が凝って短縮することで巻き肩・猫背を誘発することがあります。
図6
: 大胸筋の下に小胸筋があります。小胸筋と肋骨の間を神経・血管などが通ります。小胸筋の過緊張・筋硬結により神経・血管が圧迫されたりすると上肢の血行不良やしびれなどが生じることがあるので斜角筋同様、筋緊張や筋硬結を解消することは大切です。