緊張型頭痛・頭のコリの治療
頭のマッサージというと、どちらかというとリラクゼーション系のイメージが強くあります。リラクゼーション系のマッサージの場合、頭皮に主眼を置いた施術となると思いますが、その奥に真面目な治療の対象としての「凝り」があります。すぐ手が届くところにもかかわらずご自身でもコリの存在に気付いていらっしゃらない場合も多く一個一個、細かく見ていくとその数の多さに驚かれることがあります。
頭痛にはたくさんのタイプがあり(参:☞日本頭痛学会)最近では簡単には数えられないくらい細かく分類されています。☞国際頭痛分類
緊張型頭痛は、最も多いとされ日本に約2000万人いるといわれます。側頭筋や後頚筋群、僧帽筋などの頭・首・背中等の筋肉のコリによって、痛み神経が刺激され生じると考えられています。
基本、こりによる痛みなので丁寧にコリを取る作業を行っていけばほとんどの方が治癒・軽減しています。
*片頭痛の方は、教科書的には”揉んだり鍼で血行が良くなると痛みが余計酷くなるのでやらない方がよい”という事になっていますが、側頭筋などに高い緊張やコリが触知される場合はそれがトリガーの一つになっている可能性もあるので、施術が出来そうであれば積極的に筋緊張やコリの解消に努めるべきだと思います。
手技としては、鍼でもマッサージでもほぐすことが出来ます。
耳の周りなどの細かい筋肉も含めていくつか筋肉がありますが、主に側頭筋で目立つ凝りが蝕知されます。
緊張型頭痛に限らず肩こり・首コリの方のほとんどが、側頭筋に異常を抱えていらっしゃいますが、とても細かいコリ、しかも場所によっては非常に薄いコリなので、まず見つけるのが難しいですので治療師としての腕の見せ所でもあります。
下図の通り、側頭筋は大きな面積で描かれますが、決して同じ厚みで広がっているわけではなくてある範囲や方向に厚みが集中し他は紙のように薄いという感じです。
同時に顎関節(噛むことに関連する咬筋など)回り、目の周囲の筋群や、頬骨筋等も緊張ないし硬結がほぼ間違いなく存在するので併せて治療する事が必須です。顎関節症の方はほとんどの場合緊張型頭痛も併せて患っているように見受けられます。
さらに治療の範囲を広げる必要がある場合は、胸鎖乳突筋などの前頸部や首こり・肩こりで治療するような部位~上肢・背部などへ進めていきます。
頭や顔、喉の付近はとてもコリが細かい(特に女性の場合)ですが、丁寧に取っていくと症状はかなり軽減されます。