女性の首コリ・肩こりの治療
当院は「仕事帰りの男性サラリーマン」の方がメインの患者様となることを予定してスタートいたしましたが、
予想に反し開院以来、女性の患者様から多くご依頼いただき、現在(2025年6月)、全体の約7(~8割弱)が女性患者様となっております。その多くが、首こり(スマホ首)、肩こり、頭痛、顎関節症などでお悩みの方です。
この性別の偏りは、全く予期していなかったことですのでとても驚いております。理由は分かりませんが体のつくりが男性より精密なうえに身体感覚(痛い状態の認識・コリの解消の変化などに対して)が男性より敏感なせいからかもしれません。いずれにせよ誰かからのご紹介でもなく見ず知らずの治療院にコンタクトを取り、足を運ぶというのは大変勇気がいることと思いますので、深く感謝しております。
皆様、当院においでになるまでに様々な所で苦い思いをされていらっしゃるので「ほぐれる」という事について最初は半信半疑(というか比喩程度にしか思っていらっしゃらないよう)ですが、術後に触ってみて本当に柔らかくなるという状態を実感していただけるのは嬉しい限りです。
ご予約いただいた方には、状態の変化が分かるように、ご来院の前によくお身体(首・肩・頭などの辛い部位)を触って筋肉の硬さや、場合によってはゴリゴリした塊(コリ)の状態をよく確認して覚えておいてくださいとお伝えしております。
ご承知の通り、現代社会においてはPCやスマートフォンなどの普及で首・肩に掛かる負担が増大しておりますが、
とりわけ首・肩周りの構造が男性に比べて華奢な女性の方が大きなダメージを受けてしまい、つらい思いをされているようです。
比較的お若い方でも座業に就業されている方などは特に深刻な状況になっておられることがしばしばあります。
特に、首コリはある程度以上 悪くなると、「通常の治療」や「ご自分でできる対処法(ストレッチや運動、保温、塗り薬等)」などがほとんど功を奏しない事が多いという意味で肩こりよりも厄介な症状です。(首こりが肩こりよりも厄介な原因の一つはコリの深さにあります。)
また、噛みしめ癖(就寝時の歯ぎしり)のある方も多く、その場合、頭やあご周りのコリ、表情筋のコリも多く見受けられます。顔の(コリに対する)施術というと美容のイメージが一般的かもしれませんが、決してそんなことはありません。
*余談ですが、女性の経産婦の場合、左側の肩に痛みを訴える方が多く長年疑問に思っていましたが、その一つの根拠となりうるお話としてどういうわけか66~72%の人が左側で赤ちゃんを抱っこするという事を示す論文があります。 ☞ Handedness and sex effects on lateral biases in human cradling: Three meta-analyses: Julian Packheiser, et al. Neuroscience & Biobehavioral Reviews
Volume 104, September 2019, Pages 30-42.
一つの特徴として、女性の場合、頭のこり、顔のコリ、首・肩のコリなどが、とても細かい(そうめん1本分くらいの細さ、もっと細かいと糸のようなコリの場合もあります)ことが多く、
ご来院される患者様のお身体の状態から、痛みの原因となっている筋硬結に対して他の治療院や整体等の施術で全くアプローチされた形跡がないことが頻繁に見受けらます。
小さいコリでも痛み症状に大きく寄与していることもあり、(「コリの大きさ」と「症状の悪さ」は直接関係ありません。)これらが解消されない限りいつまでも不快感・痛みが消えないことになります。
マッサージでも鍼でも構わないので、正確にコリを捉える事さえ出来ればコリは解消できるところ、このような小さなコリに対する施術はかなり特殊な技術(コリの位置を触知できることと、触知できない深い部位であれば解剖学的な理解、そこに対して正確に刺激が入れられること)となります。
細かいコリを取っていくことに関しては当院では絶対的な自信がありますので、開院時の想定とは少し異なる形になりましたが、
考えようによっては、当院の得意とする点が一番生かせる場面で、かつ、患者様からもご好評頂き大変やりがいを感じております。
同じ精度での施術は他院ではまず無理だと思われますので首こり・肩こり・頭のこり、顔のコリなどが取れずにお困りの方は是非ご利用いただければ幸いです。
*鍼が苦手な方はマッサージをまずお試しになることをお勧めいたします。肩こりくらいでした大抵それで十分効果が出ています。
*顔のコリへの施術も対応しております。(鍼も可ですがほとんどの方はマッサージです。たいていマッサージで十分です。半ば裏メニュー化していて相当ご好評いただいております。)
筋肉は満遍なく凝る訳ではありません(下図参照)
最低でも筋束と呼ばれる数ミリ幅のコリ(の芯)が取れない限り本当にほぐれたことにはなりません。極論を言ってしまえば、コリの芯以外の部分への施術は、心地よいかもしれませんがコリを取るという意味では時間とお金を無駄に費やしていることになります。
(図1:頭のコリの例):側頭筋の面積は広いが全体がまんべんなく張ったり凝ったりする訳ではない。
(図2:肩こり、首コリの例)